初めてのフライフィッシング -実釣編-

疑似餌釣師

2016年03月04日 08:00


フライキャスティングの基礎はマスターした(と、カン違いしていた)ワタシ。

いよいよ実釣です。
フライフィッシングデビューです。
悲しいかな、免許証は持っていましたが、クルマを家で保有していなかったワタシ。
渓流でのデビューはちょっとムリ。
今にして思えば、クルマもないのにフライフィッシングに手を出そうなどとよくもまあ身の程知らずな。
そこでワタシは最初のフライフィッシングの対象魚として、オイカワを選びました。
地方によってはヤマベという呼称。
なんとなくヤマメと響きが似てます。外見もバスやギルよりも美しく、ヤマメと似てなくもない。

オイカワの生息地なぞ知りませんが、武庫川の上流域に行けばいるだろ、と電車とバスを乗り継ぎ、徒歩でポイントを探索。
バックスペースが取れて、流れのユルいちょっとしたプールを発見。目論見通り、オイカワがいました。無防備に悠々と泳ぐ姿が確認できます。
イタダキマス。
もう釣れた気分で準備を始め、選んだフライは#12のパラシュート。
キャストを始めた瞬間にオイカワ達はサッと散り、何処かへ消えてしまいました。
む、スレてるな。
ワタシはそう判断し、ポイントとの距離を取りました。
ジッと身を潜めてオイカワ達が戻って来るのを待ちました。
フフフ、戻って来た、戻って来た。
飛んで火に入る夏の虫♪
フライをキャスト。
今度は散りません。
しかし、パラシュートフライを完全無視。
見向きもしません。
ドラッグがかかっているせいか、とマニュアル本から得た半端な知識から偉そうに判断し、ドラッグフリーなナチュラルドリフトなるものを試します。
おかしい、反応がない。
ドラッグフリーってラインがフライを引きずってないってことやろ、引きずってないやん。
ナチュラルドリフトって、自然に流すってことやろ、自然に流れてるやん。
(そもそも、オイカワに#12て…ねえ?)
フライを流す場所を我流で見定め、フライを着水させる場所をフォルスキャストを繰り返して調整すると、オイカワ達は散ってしまいます。
うぬぬ、小癪な。オイカワの分際で。
そうこうする内に、フライラインに異変が。
なんとフライラインに結び目が出来ていました。
なんだ、これは。
イヤ、これがウィンドノットだと言うことは分かる。分かるが、ウィンドノットとは、リーダーやティペット部に出来るものだと書いていたぞ、何故にフライライン部にウィンドノットが?
キャスティングに問題があるのか?
イヤ、あり得ん。あんなに練習したし。
長くリールから出していたフライラインがウィンドノットを解くのに邪魔です。
リールを巻いてフライラインを巻き戻していると、今度はフライラインがリールに絡みます。
ぐう、何と鬱陶しい。
どうにかこうにか解き、キャストを繰り返していると再びウィンドノット。
ぬああああ。
ふと気付くと今度はフライがありません。
何処行った?パラシュートフライ!
今度はエルクヘアカディスの#14を結びました。
またもトラブル。
フライがロッドとフライラインに絡み、どうやったらこうなるのだ!と叫び出したい程にこんがらがっていました。リーダーごと交換したくなる程に。
ちまちまと解いている時に、フライラインが足に絡む。靴紐に絡む。リールに絡む。風が吹くと首に絡む。
いい加減にしろ!
怒髪天を衝くとは正にこの事。
タバコを吸いながら深呼吸。
落ち着け、オチツケ。
ヨ〜シ、ヨシヨシ。ヨ〜シ、ヨシヨシ。
ウン、オチツイタ。モウ、ボク、ダイジョウブダヨ。
キャスト再開。
しばらくすると、ウィンドノット再発。
そして、フライは行方不明。

心がボキリと念入りに折られたワタシは2時間程でギブアップ。帰宅しました。

後日、公園でのキャスティング練習を繰り返す日々を過ごし、ダブルホールの真似事まで覚えたワタシ。
今度こそは、と実釣に再チャレンジです。
オイカワは懲りました。
次はバスかギルだ。
あいつらは意地汚いからフライでカンタンに釣れる筈。
フライフィッシングで最初に釣る魚としては不満ではあるが、致し方ない。
バスかギルで我慢しよう。我慢してやろう。
ナニサマノツモリダ、オマエハ。

再び電車とバスを乗り継ぎ、今度は芦屋市の北部にある、奥池という野池を選びました。
三宮センター街にあるジュンク堂書店で国土地理院発行の地図から地形を読み取れる限り、そこそこ広く、バックスペースも取れそう。
果たしてそこは事前調査通りの場所。
しめしめ、今日こそは。

最初にバスバグの#4をキャスト。
ライントラブルはありません。
猛練習の成果。ふっふ〜んだ。
しかし、投げにくいことこの上なし。
全然、飛びません。
それもその筈、その時のロッド番手は#5。
初心者風情が#5ロッドで#4のバスバグフライなぞ大き過ぎて、そうそうキャストできるものではありません。
バスの姿は一向に見られず、バスバグへの反応は一切無し。

心折れそうになりながら、道路一本隔てた隣の池に移動。
そこは先程の池と違い、非常に澄んだ水でした。
底が丸見え。
何よりもその池にはブルーギルが大量にいました。
大小様々なギルが大量に、悠然と泳いでいます。

お馬鹿なワタシも流石にフライを#14のパラシュートにチェンジ。キャスト。
ギルの大群が一斉にパラシュートフライに殺到し、一際大きいギルが何の躊躇も無く水面のフライを咥えました。ワタシは盛大にアワセを入れましたが、フライラインを保持していませんでした。
盛大に空振りをしましたが、ギルはお構い無しに池の中央に向かってダッシュ。
慌ててフライラインを掴み、ラインを手繰り寄せてギルをキャッチ。

不本意ながらも非常に嬉しかったです。
フライフィッシングによって釣った初めてのサカナ。
例えギルと言えどもフライフィッシング、それもドライフライで釣ったのです。
更に、釣れるまでが全部丸見えでした。
着水して、フライに魚が気付き、フライに向かって泳いで来て、咥えるまでの一部始終。
全部丸見え。
嬉しかったです。
ギルでしたが。
感動しました。
ギルでしたが。
3時間に渡り、ドライフライで入れ食いでした。
ギルでしたが。

ルアーでの初シーバスに負けず劣らず、フライフィッシングでの最初の一尾は苦難に満ちていましたが、喜びも又大きいものでした。

今でも偶に、ギルに遊んでもらってます。
管理釣場と違ってお金かからないしw

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