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2016年03月03日

初めてのフライフィッシング -キャスティング編-

初めてのフライフィッシング -キャスティング編-
大阪は中津の「ビギナーズラック」にてなんとかフライタックルを購入したワタシ。

自宅に持ち帰り、購入したフライタックルを広げて検分しました。

みんな、そうすると信じたいのですが、ウェーダー、ウェーディングシューズを着用。
むう、ウェーダーの中には何を着たらいいのだ。
ジーンズだと裾が捲れ上がるではないか。
ジャージか?
ハイセンスなフライマンはどうするべきか。
フライベストを着用。
うん?フライマンとしてはトップスはやはりチェック柄のシャツにすべきであろうか?
帽子はキャップではどうも締まりが悪い。
テンガロンハット、ストローハット、ハンチング帽の方がキマるのではないか?
帽子の購入を検討せねば。
今度、帽子屋さんに行こう。
サングラスはどうしよう。
レイバンのティアドロップ型は少々イヤミか?

様々な妄想を繰り広げ、渓流に泰然として佇むハイソサエティで洗練されたフライマンに扮した我が身を思い、しばし陶然としました。
鏡でチェックしたいのですが自室にありません。
洗面所の鏡までフル装備で行って、親に見られようものなら恥ずかしくて悶え死ねます。

無茶、無理、無謀の三拍子揃ったワタシですが、流石にイキナリ実釣は自制しました。

とりあえず、フライキャスティングの練習だ!
当時、神戸はポートアイランドに住んでいたワタシは、島内中央にある中公園をフライキャスティングの練習場に選びました。そこは芝生の広場があり、フライラインを傷める心配がありません。
昼間に行くのは人様のご迷惑、人目も憚ります。
思慮深いワタシは、夜9時に中公園に赴きました。

夜の9時ともなると、誰も公園にいません。
ヨシヨシ。誰憚ることなく、練習できるわい。
フライキャスティングの練習開始。
まずはピックアップ&レイダウン。
とりあえず、5m程から。
事前に「フライフィッシングマニュアル」を熟読していたので容易でした。
キレイにターンオーバーして、ラインが一直線にフワリと着地しました。
うむ、完璧だ。
慎重を期して、5mでピックアップ&レイダウンを繰り返しました。
10mに伸ばしてピックアップ&レイダウン。
フライラインの動きが乱れ、ラインが真っ直ぐに着地しません。
真っ直ぐに着地できるようになるまで何度もピックアップ&レイダウンを反復練習。
徐々にマシになりましたが今一つ、確実に真っ直ぐにラインが着地しません。
あ、シングルホールを使えばいいのだ、と思い出し、中級者のキャスティングテクニックである(当時のワタシの個人的見解です)所のシングルホールを利用したキャスティング練習を始めました。
忽ちフライラインの飛行が安定。シングルホールの有効性に感動する思いです。
か、完璧だ…。
苦労すると評判のフライキャスティングをもうシングルホールキャストまでマスターしてしまった。
天才だ。
自己陶酔しながらシングルホールキャストを夢中になりながら黙々と反復練習。

「スミマセン。ちょっと宜しいか?」
誰もいないはずの公園で背後から声をかけられ、振り返るとそこには警官。
「お兄さん、こんな時間に、こんな所でナニしてるの?」
フライフィッシングとは、フライキャスティングとは、を滔々と語り、講釈を垂れたい所ですが、そんな厚顔無恥さは持ち合わせておりません。端的に、これ以上はない位に簡潔かつ正確、明瞭にワタシは答えました。
「釣りの練習です」
ワタシの返答が不満だったのでしょうか。
警官は明らかに不審人物を見るような目で言いました。
「釣りの練習って、お兄さん、ここ魚おれへんよ?」
なんと馬鹿な警官でしょう。
「んなこたぁわかっとるわ!フライキャスティングの練習しとるねん!事前に練習無しでどうにかなるようなアマイ釣りちゃうから、こうやって予め練習しとるねん!」
と、内心で罵りつつ。
「投げるだけの練習してるんですよ〜。結構、難しいんでね〜。危ないから人がいないこの時間にしか練習できないと思って〜」
内心とは裏腹に猫なで声で笑顔を振りまき、愛想良く説明しましたが警官の反応は冷淡そのもの。
「身分を証明できるものを提示して頂けますか」
「あ、ハイハイ。どうぞ、これです」
免許証に加えてご丁寧に学生証まで添えて警官に渡しました。
いやに念入りに免許証と学生証を検分しています。
そんなに不審に見えるのか!オレ様は!
内心の不平、不満を押し殺しつつ、満面の笑みを警官に向けました。
にも関わらず冷淡な態度を一向に変えない警官。
「はい、結構です。こんな時間に、こんな所は危ないですから、ほどほどにして気を付けてお帰りください」
踵を返し、近くに停めてあった自転車に跨がり、無礼な警官は立ち去りました。

ふと時計を見ると、時刻は23:30。
確かに「こんな時間にこんな所で」です。
すっかり興を削がれたのでワタシも自転車に跨がり帰宅しました。

邪魔は入りましたが、シングルホールキャストまでマスターしました。ダブルホールキャストは超上級者のテク(当時のワタシの個人的見解です)なのですからビギナーのワタシにはまだ不要でしょう。
実際の釣りで困ることはほぼないでしょう。
フライフィッシングデビューまでの道程は順調極まりない。
その夜、ワタシはそう確信してベッドに潜り込んだのです。



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Posted by 疑似餌釣師 at 08:00│Comments(2)フライ徒然草
この記事へのコメント
こんにちは〜
フライフィッシングは高貴な釣りなんですねぇ
本当に敷居が高そうです。
私なんか、ルアーを買おうと初めて量販店に入るときもビクビクしてました(^_^;)
それにしても、文章がお上手なので、毎回楽しませていただいております。
今回のも超面白かった〜(^^)
Posted by だいざえもんだいざえもん at 2016年03月03日 08:45
だいざえもんさん
おはようございます。

敷居は大分と低くなったと思うのですが、フライ人口はどうやら減っている模様です。フライショップ、大分減りましたから。
なのでワタシみたいに一人で始めたい人にとっては結局は敷居が高くなってるかも知れないです。
海フライの本などかチラホラあることを考えると、裾野は昔より広がったと思いますが。
Posted by 疑似餌釣師疑似餌釣師 at 2016年03月04日 09:05
 
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    コメント(2)