2016年02月05日
初めてのシーバス 第2章

「ルアーって釣れへんの…?」
禁断の疑惑の念を抱きつつ、釣場への皆勤は続いていました。
「ルアーマンがいない…。今、通っているポイントはルアーには適さないのでは?」
「ルアーマンがいないのはルアーフィッシングでは釣れないからではないか?」
「まさか…、ルアーフィッシングとは釣具メーカーの創り上げた虚構で釣具メーカーによる、業界ぐるみでの壮大な詐欺なのでは?」
「自分はその壮大な詐欺にまんまと騙された被害者もとい、マヌケなのでは?」
「シーバステクニカルノートのあの著者も業界から協力報酬を得ている共犯者なのか?」
「まさか、そんな大がかりな詐欺など聞いたこともないし、成立する筈がない」
「釣具メーカーの陰謀…?」
被害妄想もここに極まれり、胸中に渦巻く疑念をなんとか抑えつつ、釣行を繰り返しました。
8月10日、「シーバステクニカルノート」に記載されていたあるポイントに目を付けました。潮流が変化してしまったのでしょうか、今はさっぱりなポイント、神戸水上警察署前。
「シーバステクニカルノート」にはこう説明されていました。
「中小型メインではあるが数釣りのできるポイント。ルアーマンが数多く訪れる。ルアーは9cmをメインに釣行しよう。」
「数釣りができる」
未だシーバスに出会えないワタシでも一匹ぐらいは釣れるかも知れない。
「ルアーマンが数多く」
ポイントでルアーマンにまだ出会ったことがない。他のルアーマンが釣る場面を見ることができるかも知れない。あわよくば、教えを乞おう。
「ルアーは9cmをメインに」
買い揃えたルアーはバッチリ9cmばかり。
条件的には最高です。
車も免許もなく、当時の実家、ポートアイランドから自転車での釣行を繰り返していたワタシにはちょっと遠いポイントでしたが、そんなことは苦でもありません。シーバスを釣るためには!
ポイントに到着。
ルアーマンは…いません。
あれ?と思いつつも、水面では単発ながらもそこかしこでボイルが見られます。
すぐ側を通る高速道路や外灯からの光で水面がオレンジ色に照らされています。
「ここは釣れる…!」
暗中模索、釣れる気が全くしないポイントへの釣行を繰り返していたワタシに差した、一筋の光明。
ルアーマンがいない、という不安を抱えつつもようやく差した一筋の光明にすがりつつキャストを繰り返します。
しかし、釣れません。アタリもありません。アタリというものがそもそも当時のワタシには知る由もなかったのですがw
それでもキャストを続けるモチベーションを維持できる場面がありました。
足元で間違いなくシーバスと思われる魚が小魚を捕食する瞬間を目撃したのです。水面には波一つ立ちませんでしたが決定的なシーンでした。
その日もボウズでしたが、一気にテンションが上がったワタシは確信しました。
「シーバスがいるのは間違いない。ここに通えば必ず釣れそうだ」と。
ボウズ連続記録を日々更新しながら神戸水上警察署前に通い詰めていましたが、他のルアーマンを見かけることもなく、それでも希望に満ち溢れていたある日、出会ったのです…。
あの人に。
Posted by 疑似餌釣師 at 09:00│Comments(0)
│徒然草